結婚相談所での婚活。素敵な出会いを期待する一方で、時としてゾッとするような体験をすることも…。今回は、実際にあった、相手の個人情報を執拗に探ろうとする行為にまつわる怖い話をお届けします。
「偶然」が多すぎる出会い
ある女性Aさんの話です。仮交際中の男性Bさんは、いつも穏やかで、Aさんの話にも熱心に耳を傾けてくれる人でした。しかし、時折彼から出てくる言葉に、Aさんは妙な違和感を覚えていました。
例えば、ある日のデート中、Bさんがふとこんなことを言いました。 「Aさんって、○○大学出身でしたよね?実は僕の知り合いが、ちょうどその大学の出身で、今度会うことになったんですよ。Aさんの学生時代の話とか、聞けたら面白いなぁと思って。」
Aさんは「へぇ、奇遇ですね!」と最初は思いました。しかし、その“奇遇”は、その後も続いたのです。
エスカレートする「共通の話題」
数日後、Bさんからまた連絡が来ました。 「そういえば、Aさんの会社って、△△にオフィスがありますよね?僕の取引先が近くにあって、今度打ち合わせで行くことになったんです。もしかしたら、Aさんの会社の人とすれ違うかもしれませんね。」
Aさんの会社は確かに△△にオフィスがありましたが、一般的な企業とは異なり、通りから少し奥まった場所にあるため、外部の人が簡単に知るような情報ではありませんでした。それでもAさんは、「たまたまかな」と気にしないようにしていました。
しかし、決定的な出来事が起こります。 ある週末、Aさんが友人とプライベートで訪れたカフェの写真をSNSに投稿した数時間後、Bさんからメッセージが届いたのです。
「Aさん、今日○○カフェに行ってましたよね?僕も近くにいたんですよ!声かけようかと思ったんですけど、お友達と一緒だったので遠慮しちゃいました。」
このメッセージを見た瞬間、Aさんの背筋は凍りつきました。なぜ彼が、自分が今、どこにいるのかを知っているのか。そして、なぜそこまで詳細な情報を知っているのか。
暴かれた「偶然」の正体
Aさんはすぐに結婚相談所の担当者に相談しました。担当者がBさんに確認したところ、Bさんは最初こそ「偶然です」「SNSを見て知っただけです」ととぼけていたそうですが、問い詰められるうちに、ついにその「手口」を明かしたのです。
Bさんは、Aさんの大学名や勤務先といった断片的な情報から、インターネットやSNSを駆使してAさんの個人情報を徹底的に探り出していました。AさんのSNSアカウントを見つけ、その投稿内容から行動範囲や交友関係を把握。さらには、Aさんの知人を装って接触しようとまでしていたことが判明したのです。
「あなたのことをもっと知りたかった」という彼の言葉は、Aさんにとっては愛情ではなく、ただの「監視」であり「恐怖」でしかありませんでした。AさんはすぐにBさんとの関係を解消し、二度と会うことはありませんでした。
信頼の上に成り立つ関係
婚活において、相手を知りたいと思う気持ちは当然のことです。しかし、度を超えた個人情報の探索は、相手に不信感や恐怖を与え、健全な関係を築く上で大きな障害となります。
今回のケースのように、まるでストーカー行為のような行動は論外ですが、SNSやインターネットで相手の情報を深掘りしすぎることも、相手に知られた時に「怖い」と感じさせてしまう可能性があります。
信頼関係は、時間をかけて築かれるものです。相手のプライバシーを尊重し、誠実に向き合うこと。そして、少しでも「おかしいな」と感じたら、一人で抱え込まずに結婚相談所の担当者など信頼できる人に相談することが大切です。あなたの婚活が、安心できる素敵な出会いに繋がることを心から願っています。